美術鑑賞で得られる効果① 想像力について

想像力が磨かれたり、教養が身に付いたり、リラックス効果があったりと、美術鑑賞には様々な効果やメリットがあります。
最近では、美術鑑賞を研修の一環として取り入れたり、アーティストと一緒に社員教育をする企業もあるほどです。
今回は私の思う美術鑑賞の効果・メリット、鑑賞の際のポイントにおける想像力UPについてお話していきます!

想像力が磨かれる

絵画や芸術作品には、作家の思考や好み、作品においてコンセプトなどが作家の脳から身体へと伝達され生み出されます。そしてもっと深く言うと、作家は目で見て、耳で聞き、手で触れる現実のほかに、想像力で作り出した世界を自分の現実にすることができる。ということです。
そのため、その作家自身の様々な魅力が作品には含まれています。
仲の良い作家同士でお互いの作品を鑑賞しながら話をすると「描いた時はこんな感情だった?」と見透かされるほど作家の全てが作品には現れます。
絵を見ると、その者が見えてくるのが美術鑑賞が楽しいところのひとつです。

※ここでいう想像力は目に見えないものをイメージすることです。
創造力は目に見えないものを目に見えるように作ることなので今回の内容には外に出す話はしません。

さて、作品を見たときに
「何が描かれているのか?」「どう感じたか?」「なぜ描かれたのか?」…など
作品を見るだけではなく脳をフル回転させ、その作品に対して考えることが美術鑑賞における
想像力を磨くということに繋がります。

よく「想像力は様々なシーンで役立ちます」と目にしますが
まず、想像力とはどんなことなのでしょうか?
目には見えないものを思い浮かべる能力のことです。
また過去の記憶から予想をしたり、未来を描く素材としても利用されます。
「想像は経験に基づいているが、経験そのものではない」と言われ、自身が体験していなくても、情報として脳にあるものから自身に起きたように想像することが出来るのも脳の面白いところです。

想像力が磨かれるとどうなるの?

想像力が豊かという事は
「物事の予想ができる」
「危機回避ができる」
「相手の気持ちがわかる」
「アイデアや意見を出せる」などが含まれます。
それは人の気持ちがわかり、柔軟な独自性があり、物事を多角的にみることができ、固定観念に囚われない、最悪の状況を想定でき、共感能力が高い人という事です!すごい!

こういう人は好奇心が旺盛で経験豊富な人が多いです。
自身の感性を大切にしながら広い視野で行動できるので、いろんなことに興味を持ち知りたがります。感じたままの行動がとても得意なのは、感じるという事を大切にしているからです。

想像力が磨かれると、より広い範囲で多くの発想ができるようになり、沢山の事に興味を持ち行動的になれます!

美術鑑賞における想像力の磨き方

まず大前提にお伝えしたいことは
「自分が見えたものと、ほかの人が見えたものが違う」という事を大切にしてください。
「人が何を見ていて、何を見ていないのか」それぞれ違っていいのです。
それを楽しめるのがだまし絵です。
ここでは話が広がってしまうので、興味があるひとは仲のいい人と一緒に「だまし絵」を観察してみてくださいね。

①目に留まる作品を見つける
まずはアナタが気になる作品を探してください。
目に留まるという事は少なくともあなたと何かしら共通点があるという事です。
たとえば、色が好きだとか、形が好きだとか、自分が好きなものと似ているから、とか…。
ここでは無意識に目に留まることが重要なので「なぜ?」は置いといてください。

②作品を見て 自分の直感を大事にする
人によって価値観や考え方は様々です。
また美術鑑賞のやり方も人によって異なるので、特にこれといった正解はありません
作家の意図もくみ取ろうとしなくて大丈夫です。
ここではあなたの視点、どこに目が行くのか、どんな気持ちになるかを大事にしてください。

③直感から脳に入った情報を理解する
はい!ここから脳をフル回転させますよ!
アナタが鑑賞した時に目についたところに「なぜ?」「どうして?」をぶつけて自分なりの答えを出すようにしてください。
これは慣れない間は苦行です。「なぜ?ってなぜだろう?」「わからない」と考えるのをやめたくなります。
そこで思考をやめないでください!
美術鑑賞は見るだけではないのです。大事なのは、見たものに自分なりの答えを出すところまでがセットなのです。なぜなら美術鑑賞は「学び」だからです。

…しかし私の想像力を高める美術鑑賞はとても苦手なのです。
私は言語化をするのが苦手なので、感覚的にはこう、なんか、わかるでしょ?!みたいな感じで感じることはできますが、言語で人に魅力や意図を伝えるのが苦手です。
それでも感じ、考え、想像し、判断し、言語化します。

どんなに考えても答えが出ない人は、極論「この絵が気になった」でOKです!
しかし雰囲気が好き、見るとなんとも言えない感情になる。というような湧き上がった考えや感情は頭の中に留めずに周りにシェアすることをオススメします。
この絵が気になったんだよね。と誰かに伝えるとこでアナタが共感できる言葉を届けてくれる人がいるかもしれません。
そうそう!それを伝えたかったんだ!という言葉が見つかったれば、アナタは次に同じ感情になった時はちゃんと言葉で伝えられます。

もし、自分で答えを探したい人は、気になった作品名と作家と名前はメモしましょうね。いつか同じ感情になった時に改めて見たら言語化できるようになっているかもしれません。
言語化するこれ大事!

おわりに

最後まで読んでいただきありがとうございます。
美術鑑賞、想像力編いかがだったでしょうか?
結局のところ「楽しんで」絵を見る人が増えたらいいなと思い、このようにお伝えしているのですが、美術鑑賞はとっても難しい事を同時にたくさんやっているところもあり、これだけではお伝えできておりません。すみません…。

ただ、すべてにおいて自分の直感が大事になってくるので
もし、作品を見る機会がある人は自分が気になった作品、足を止めた作品がこの世に存在して、それを自分の目で見れたという事がとても素晴らしい事だという事を覚えていて欲しいです。